MDR-EX600レビュー 〜悲運な名機 フラットモニターサウンド+音楽な〜
SONY MDR-EX600レビュー
イヤホンの面白さを教えてくれた悲運の名機MDR-EX600の紹介です。
購入後6年経ちますが未だに大切に大切に愛用しています。
悲運というのは、1Dの世界的な名機MDR-EX1000とモニターサウンドでプロ御用達のMDR-EX800STの影に隠れた感たっぷりで、もっと日の目を見て良いのではと思うからです。なのでここではしっかり紹介してあげてもっと皆さんにも認知していただきたいと思います。
さて、まずは商品名MDR-EX600。。。これが悲運にしてしまった最大の要因といっても過言ではありません。実は定価は MDR-EX800ST(25,920円)MDR-EX600(25,380円)とほぼ全くと言っていいほど同額なんです。なのに商品名の型番は200番も低い、本来ならば、MDR-EX800M等最後のアルファベットを変えるだけでよかったのではないかと(M=Musicとした理由は後述します)
それでは外見から
凄く立派なケースが付いています。MDR-EX1000と同じCCAW16mmドーム型が搭載されている割に少し小ぶりです。
イヤピースはびっくりの11Set(本体付属の1Set含めると) しかも、なんと今は廃盤の伝説のイヤピースNoise Isolation(EP-EXN50M)のS、M、Lサイズが付いてきます。このイヤピースは遮音性と音質を極めて高いレベルで達成した凄いやつです。イヤピース代だけで10,000円ぐらいはしそう(゚∀゚)
ケーブルも60cmと120cmの二つが付いてきてもちろんリケーブルも可能です(MDR-EX1000用がいくつかありますね)
ご参考)MDR-EX1000、MDR-EX800ST、MDR-EX600の比較表(Eイヤホンさんのサイト)
◆音質(10段階評価)
当然、兄弟機である MDR-EX800STと一騎打ちです。
DAPはiPhone6とiPhone5s+OPPO HA-2(ポアタン)を使用しています。
レビューにあたり、いつも通りリファレンス音源としてはMETALLICAのブラックアルバムから「Enter Sandman」(ワイドレンジな曲で冒頭のラーズ・ウルリッヒのドラムのスネアでサ行、タ行の刺さりも確認できます)
それと、もう一曲は北欧デンマーク出身の女性ジャズ・ヴォーカリスト、シーネ・エイの5作目「ブルーな予感」から2曲目の「ハイウエイ・ワン」を使いしました。大変美しい曲でシーネ・エイのボーカルも見事ですし、録音も優秀です。曲冒頭のシンバルと女性ボーカルのツヤやピアノの音・響き、またベースの分離も確認できます。
超高域 :7/10 (比較参考800ST:8/10)
高域 :8/10 (比較参考800ST:8/10)
中域 :9/10 (比較参考800ST:8/10)
低音 :8/10 (比較参考800ST:8/10)
超低域 :8/10 (比較参考800ST:7/10)
男性Vo. :8/10 (比較参考800ST:7/10)
女性Vo. :9/10 (比較参考800ST:8/10)
解像度 :7/10 (比較参考800ST:8/10)
音場 :7/10 (比較参考800ST:7/10)
刺さり具合:7/10 (比較参考800ST:7/10)※数字が大きいほど少ない
音漏れ :7/10 (比較参考800ST:7/10)※数字が大きいほど少ない
見た目 :8/10 (比較参考800ST:8/10)※猛烈な主観
そうなんです。殆ど変わりません。解像度はEX800STの方がやや上、対してボーカルと低域はEX600の方がやや上と感じます。
ざっくりというと、どこまでもフラットなモニター系サウンドのEX800STとそれに少しだけ音楽の楽しさを加えたのがEX600ということです。EX1000は全体的にそれを少しずつパワーアップさせた感じです。それでも店頭でちょっと聴き比べ程度では中々わかり辛いくらいの差です。
どちらにしろ、この3機種はモニター系ですので同価格帯のイヤホンに比べると派手さも無く、分析的な聞き方になる原音忠実イヤーモニターですね。
なお、どちらの機種もiPhone6直では力不足で中域・低域が不足します。HA-2を入れると本領を発揮するのでやはりどちらとも駆動力が必要なイヤホンかなと思います。
・高域〜超高域:どちらもよく似ています。レコーディングされた音をそのまま再現します。モニター系ですので当然若干の刺さりがあります。何度も聴き比べるとほんの少しEX800STの方が解像しています。
・中域:ボーカルはどちらとも比較的近く聞き取りやすいです。EX600のボーカルの方がほんの少し艶があります。
・低域:誇張することもなくフラットに再現します。これもほんの少しEX600の方がより深い低音が出ていると感じます。
・見た目はどちらとも好きですね、パッと見はどちらか全くわかりません(笑)ハードなスタイルでいかにも音が良さそうかっこいいですね。
・イヤピースなど:付属品は大変豪華です。キャリングケースはしっかりとイヤホンを固定でき総武線の満員電車でも全く問題ないと思います。またケーブルは長さが違うものが2つあり、60cmの方はDAPを胸に入れる、またBluetooth機器を接続に重宝しますし、120cmの方は他のイヤホン通りDAPをカバンに入れても届く長さで、他のメーカーも見習って欲しいと思います。
イヤピースはノイズアイソレーションイヤピース(現在Amazonでも2セット1組で4000円ぐらいのソニー SONY ハイブリッドイヤーピース EP-EX11M : Mサイズ 4個入り ブラック EP-EX11M B)が付いており、素晴らしいの一言なのですが、勿体なさすぎて使っていません。
結局はFinal Eタイプに落ち着いています。
<気に入らない所>
デザインは好きなのですが、装着した時に出っ張っているところぐらいですね。
<総評>
EX1000には若干劣るがその差は少ない。またEX800STとは同等で少し音楽(MUSIC=M)の楽しさを加えたチューニングがなされている。スタジオ等の音楽作成現場では、やはりEX800STの方が良いと思うがリスニングにはEX600の方が向いていると思います。やはり商品名はMDR-EX800Mにしてもらえないかな〜ソニーさん。
ちなみに、ケーブルをEX1000に付属するSONY RK-EX1000LP(MDR-EX1000用1.2mコード)【1838545-21】に交換すると驚くぐらい音質が全体的に向上する面白い機種でもあります。
3機種共に中華イヤホンではなし得ない、日本の技術が詰まった素晴らしいイヤホンと思います。
ソニー SONY イヤホン カナル型 ケーブル着脱式 MDR-EX1000
- 出版社/メーカー: ソニー(SONY)
- 発売日: 2010/10/23
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SONY INNER EAR MONITOR MDR-EX800ST
- 出版社/メーカー: ソニー(SONY)
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