portableaudio’s blog

気に入ったポータブルオーディオを紹介したいと思い書いています。

YAMAHA EPH-100レビュー IE800に対抗できる名機

YAMAHA EPH-100レビュー 

 

待ちに待ったYAMAHA EPH-100の後継機種であるEHP-200が2017年11月下旬に発売にされると聞き嬉しく思いEPH-100をレビューします。EPH-200はEPH-100と音の方向性は同じでさらに音質を向上させたとのことです。EPH-100は私のマストフェイバリットでもありますので、ついにイヤホンスパイラルもEPH-200を持って完了!の可能性も大いにあるかな〜なんて今からワクワクしています。

昨今のイヤホンの日進月歩が凄まじくアラウンド5,000円でもFinal E2000やE3000、日本だけでなく韓国のmuix ix5000、中国のKZ ZS5やZS6などの実力機が目白押しの状態です。

EPH-100は2011年発売で既に6年経っておりますが、これらの実力機を全く寄せ付けない素晴らしいリスニングサウンドを誇ります。

しかし目立たない機種ですね、本機がこれほどまでに目立たない存在かともうしますと、YAMAHAが売る気が無い(発売当初はYAMAHAのオンラインショップでの取扱のみ、最近でも大きなイヤホン専用スペースを持つヨドバシやeイヤホンでも店頭の片隅でひっそりと置いてある程度)またYAMAHA自体は凄いブランドですが、YAMAHAのイヤホンメーカーとしては、やはりSONYオーディオテクニカ等に比べ認知度/ブランド力が低いためと思います。

ですので、たまたま買った人たちの口コミやネットへの書込みで少しずつユーザーを獲得していったようです。価格コムのレビューでは24人書込みで4.88/5.00の凄まじいスコアですね(2017/10現在)、運よく見つけた人は殆ど大満足ということです。

レビューにあたり、いつものように比較対象を考えました。1Dで15,000円〜20,000円の実力機ですと、やはり英国RHAの大変なベストセラーMA750iです。同じように本体は金属製でリケーブルなしということですし、ライバルとしてはバッチリですね

 

それでは外見から

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どちらとも、美しいですね!EPH-100の標準イヤピースはYAHAMA独自の2段キノコです。いつも色んなイヤピースを試すのですが、これに限っては標準のイヤピースがベストでした。

◆音質(10段階評価)

DAPiPhone6iPhone5s+OPPO HA-2(ポアタン)を使用しています。

 

レビューにあたり、いつも通りリファレンス音源としてはMETALLICAのブラックアルバムから「Enter Sandman」(ワイドレンジな曲で冒頭のラーズ・ウルリッヒのドラムのスネアでサ行、タ行の刺さりも確認できます)

それと、もう一曲は北欧デンマーク出身の女性ジャズ・ヴォーカリスト、シーネ・エイの5作目「ブルーな予感」から2曲目の「ハイウエイ・ワン」を使いしました。大変美しい曲でシーネ・エイのボーカルも見事ですし、録音も優秀です。曲冒頭のシンバルと女性ボーカルのツヤやピアノの音・響き、またベースの分離も確認できます。

 

超高域  :8/10 (比較参考MA750i:7/10)

 

高域   :9/10 (比較参考MA750i:8/10)

 

中域   :9/10 (比較参考MA750i:8/10)

 

低音   :9/10 (比較参考MA750i:8/10)

 

超低域  :7/10 (比較参考MA750i:7/10)

 

男性Vo.   :9/10 (比較参考MA750i:8/10)

 

女性Vo.   :9/10 (比較参考MA750i:7/10)

 

解像度  :8/10 (比較参考MA750i:8/10)

 

音場   :8/10 (比較参考MA750i:7/10)

 

刺さり具合:9/10 (比較参考MA750i:7/10)※数字が大きいほど少ない

 

音漏れ  :9/10 (比較参考MA750i:9/10)※数字が大きいほど少ない

 

見た目  :8/10  (比較参考MA750i:9/10)※猛烈な主観

 

同価格帯のベストセラーであるMA750iと比較しても音質で負けているところは超低域ぐらいで、殆どEPH-100が上回ります。

ちなみにMA750iもかなり好みなイヤホンですので外出時の使用頻度は上位です。

 

ざっくりというと、EPH-100は日本版SENNHEISER IE800ですね、全ての特性がよく似ています。IE800は高域に独特の癖があります、EPH-100はその癖は感じません。

またどちらもモニターサウンド系ではなく、音楽を楽しむリスニング系です。

とにかく、高域〜低域バランスが良いです。またMA750iは音が固めでEPH-100はそれをオーディオ的に濾過したようなイメージです。

YAMAHAは世界的に有名なピアノやギターを始め、ありとあらゆる楽器を極めて高いレベルで制作している会社であり、また昔から名機と呼ばれるようなレコード/CDプレイヤー、アンプ、スピーカーなどのオーディオも数多く制作していることから、企業文化的に考えてみても相当優秀なサウンドエンジニアは沢山いそうです。そのようなエンジニアから真剣にチューニングされ、またYAMAHAの技術が上手くシナジー昇華されていると感じました。

 

・高域、超高域:どちらも本当に1Dなのか?と疑うぐらい綺麗な高域が出ていますが、特にEPH-100の高域は本当に素晴らしく、1Dでは私の知る限り屈指の高域を奏でます。もちろんBA型のキラキラには少し劣ります。

 

・中域:ボーカルはMA750iは音が固めでドライな傾向です、EPH-100は艶やかに歌い上げます。特に女性ボーカルは色気すら感じます。

 

・低域:MA750iは少なめですが締まりがよくロック系、ジャズ系に適しています。EPH-100はMA750iより太く多く出ています。程よい弾力があり大変心地好い低域です。どちらも超低域は少なめです。

 

・見た目はどちらとも高級感とデザインセンスが同居しており、自分好みです。MA750iは更にモノとしての美しさが際立ちますのでほぼ単体としては満点、ですがケーブルの配色(グレー)があまり好きではないので-1点ですね。

EPH-100は流石YAMAHAと思わせるシンプルで美しい仕上げです、バイクのピストンにも見えてくるのはYAMAHAだからかな?考え過ぎかもしれませんが、とにかく美しくカッコ良いので気に入っています。

 

・イヤピースなど:MA750iは豪華です、イヤピースはコンプライ2set、ダブルフランジ2set、シリコン6setで品質も良いです、またケーブルも太く(長すぎるけど)頑丈そうで全く壊れそうな気がしません、しかも3年保証があるので安心してガンガン使える。

対してEPH-100の付属品はSS〜 LLまで5setと変換プラグに延長コードぐらいで到って普通、パッケージはブリスターパックに入っており安っぽい、ケーブルの作りも普通で二段きのこのイヤピースが素晴らしいぐらいです。

実はEPH-100の弱点はこれでして、ケーブルがいつ切れるのか心配で外に持ち出せませんでした、EPH-200ではその弱点をmmcxリケーブル対応とすることで解消しており、私としても念願の装備となります。

 

<気に入らない所>

リケーブルできない、またケーブルの質が安いイヤホンと同等の普通のケーブル

 

<総評>

音質に関しては所有しているイヤホンの中ではベストです(キッパリ!)バランスがよく何の不満もないです、ケーブルだけが不満でしたので何か他に良いものはないかとスパイラルから抜け出せなかったのですが、EPH-200はその弱点をmmcxリケーブルに対応することで完全に克服しました(SENNHEISER IE800sはリケーブル未対応w)あとは音質を踏襲し更に向上してくれれば、晴れてイヤホンスパイラル完了かもしれません。